監査の新基準値:法案が廃案となり、現行の基準値を維持

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要点2026年10月8日時点で、監査および簡易様式財務諸表の新たな基準値は承認されておらず、施行されていません。総資産356万5,000ユーロ、売上高712万5,000ユーロ、従業員50人という3つの基準のうち2つを超えない会社を監査対象外とすることを提案していた法案121/000075は、国会の解散(勅令第806/2026号、2026年10月6日付スペイン官報(BOE))により廃案となりました。現行の基準値である285万ユーロ、570万ユーロ、従業員50人が引き続き有効であり、2026年度の決算ではこれを適用する必要があります。

何が起きたか:法案は廃案に

法案の名称は「財務報告上の企業規模基準を改正する法律案」でした。下院(Congreso de los Diputados)および上院(Senado)の解散と選挙の実施に関する10月5日付勅令第806/2026号は、2026年10月6日にBOEに掲載されました。同日以降、2026年10月8日に確認した下院の公式記録では、この法案は「Concluido – (Caducado)」(終了・廃案)と表示されています。審議の経過は次のとおりです。

  • 提出:2025年11月8日、政府により提出。
  • 受理:2025年11月18日。
  • 公表:スペイン国会官報(BOCG)下院Aシリーズ第75-1号(2025年11月21日付)。
  • 審議:経済・通商・デジタル変革委員会に完全な立法権限を付与して審議。2025年12月以降、修正案の提出期限が繰り返し延長され、修正段階にとどまっていました。
  • 結果:小委員会報告、委員会報告、上院への送付、BOEへの掲載のいずれにも至りませんでした。2026年10月6日以降、廃案となっています。

実務上の帰結は単純です。法案は承認されておらず、何も変わっていません。基準値を変更するには、新たな議会期において改めて立法提案を行う必要があり、現時点でその時期は見通せません。御社が監査義務の対象かどうかを確認したい場合は、現行の基準値と特別なケースをまとめた2026年の法定監査に関するガイドをご覧ください。

現行の基準値と法案の提案内容の比較

法案は、スペイン「資本会社法」(LSC)の2つの条文を改正するものでした。簡易様式の貸借対照表と純資産変動計算書の作成を認める第257条第1項と、監査の免除を定める第263条第2項です。いずれも、2事業年度連続で3つの基準のうち2つを満たすというルールは維持されていました。下表は、引き続き有効な基準値と廃案となった法案の提案値を参考として比較したものです。

規定 項目 現行 廃案となった法案の提案(BOCG A-75-1)
LSC第263条第2項 監査の免除 総資産285万ユーロ・売上高570万ユーロ・従業員50人 356万5,000ユーロ・712万5,000ユーロ・50人
LSC第257条第1項 簡易様式の貸借対照表と純資産変動計算書 400万ユーロ・800万ユーロ・50人 750万ユーロ・1,500万ユーロ・50人
LSC第258条 簡易様式の損益計算書 1,140万ユーロ・2,280万ユーロ・250人 変更なし
LAC第3条第9項 小規模事業体 現行規定による* 750万ユーロ・1,500万ユーロ・50人
LAC第3条第10項 中規模事業体 現行規定による* 2,500万ユーロ・5,000万ユーロ・250人
勅令第1515/2007号第2条第1項 中小企業向け一般会計計画(PGC PYMES)の適用範囲 現行規定による* 750万ユーロ・1,500万ユーロ・50人

* スペイン「会計監査法」(LAC)における小規模・中規模事業体の定義と、PGC PYMESの適用範囲については、BOEで現行規定をご確認ください。ここでは法案が提案していた数値との比較のみを示しています。

法案がそのまま承認されていれば、現在通常様式の貸借対照表を作成している多くの会社が簡易様式とPGC PYMESに移行でき、規模を理由に現在監査を受けている会社の一部は監査が免除されていたはずです。法案の提案理由書では、監査基準値の約25%の引上げは委任指令の国内法化ではなく、簡素化のための国内独自の判断であると説明されていました。しかし、法案は承認されなかったため、これらはいずれも適用されません。

引き続き有効なもの

  • 監査および簡易様式財務諸表の基準値。「現行」欄に記載したLSC第257条第1項、第258条および第263条第2項の基準値が維持されます。
  • 規模に関係しない監査義務。60万ユーロを超える補助金・公的助成を受けた場合や、売上高の50%を超える60万ユーロ超の公共契約がある場合は、監査が義務付けられます(スペイン「会計監査法施行規則」(RLAC)追加規定第2条・第3条)。詳しくは補助金または公共契約による法定監査に関する記事で解説しています。
  • 少数株主の請求による監査。資本金の5%以上を保有する株主は、商業登記官に監査人の選任を請求できます(LSC第265条第2項)。
  • 大企業と零細企業の基準値。法案の最終規定第5条はこれらを企業のサステナビリティ情報に関する法律案(121/000038)に委ねていましたが、同法案も国会の解散により廃案となりました。オムニバスI指令とサステナビリティ報告の対象企業に関する記事で取り上げています。

アリカンテ県の多くの中小企業にとって念頭に置いておきたいのは、たとえ基準値が引き上げられていたとしても、60万ユーロを超える州の助成やEU資金を受けている企業は、引き続き監査を受ける義務があったという点です。

2026年度の決算への影響

2026年度には、LSC第263条第2項の現行基準値が適用されます。規模を理由に監査が免除されるのは、2025年度と2026年度の決算日において、総資産285万ユーロ以下、売上高(純売上高)570万ユーロ以下、平均従業員数50人以下という3つの基準のうち少なくとも2つを満たす場合に限られます。監査義務がある場合、株主総会は事業年度が終了する前に監査人を選任しなければなりません(LSC第264条第1項)。事業年度が暦年と一致する場合は、2026年12月31日までとなります。

新たな基準値が最初に適用される事業年度について法案の最終規定第7条が生じさせていた疑問は、同規定が施行に至らなかったため、実務上の意味を失いました。

今後の見通し

企業規模基準の改正は、新たな議会期における新たな立法提案によってのみ再開できます。提出されるかどうか、どのような内容で、いつになるかを予測することはできず、新たな提案が廃案となった法案の数値をそのまま踏襲するとも限りません。公式の動きがあれば、本記事を更新します。

一方で、EUに対するスペインの義務は依然として残っています。これについては次で解説します。

スペインの対応の遅れとEU司法裁判所

EU委任指令2023/2775は、EU会計指令2013/34/EUの企業規模基準をインフレに合わせて改定したものです。加盟国は2024年12月24日までに国内法化する必要がありました。2026年1月30日、欧州委員会は、国内法化の措置を通知していないとして、スペインとマルタをEU司法裁判所に付託すると発表しました。法案121/000075はこの指令の部分的な国内法化として提出されていましたが、廃案となったため、国内法化は依然として未了です。

今できること

  1. 2025年度の実績と2026年度の見込みを、LSC第263条第2項の現行基準値と比較してください。
  2. 規模にかかわらず監査義務が生じる補助金や公共契約がないか確認してください。
  3. 2026年度に監査義務がある場合は、事業年度の終了前に株主総会で監査人を選任してください。
  4. 改正を見込んで簡易様式への移行や監査の終了を計画していた場合は、顧問とともにその計画を見直してください。現行規定のもとでは実現できない可能性があります。
  5. 監査が免除される場合でも、金融機関や株主の要請などを理由に、任意監査を受けることが有益かどうかを検討してください。

よくあるご質問

新しい監査基準値は承認されましたか。

いいえ。法案121/000075は承認されないまま、国会の解散により2026年10月6日に廃案となりました。総資産285万ユーロ、売上高570万ユーロ、従業員50人の基準値が引き続き有効です。

2026年度は監査を受ける必要がありますか。

2026年10月8日時点の現行規定では、2025年度と2026年度の決算日において、総資産285万ユーロ以下、売上高570万ユーロ以下、従業員50人以下という3つの基準のうち少なくとも2つを満たしていなければ、監査が必要です。60万ユーロを超える補助金や公共契約など、特別なケースに該当する場合も同様です。

基準値はいつ引き上げられますか。

時期は決まっていません。変更には新たな議会期での新たな立法提案が必要であり、その内容も日程も予測できません。

すでに3年間の任期で監査人を選任している場合、監査をやめることはできますか。

ケースによります。LSCは、正当な理由がない限り、株主総会が当初の任期の終了前に監査人を解任することを禁じています(第264条第3項)。会社が監査義務の対象外となったこと自体は、同条が定める事由ではありません。判断する前に、監査契約の内容と監査人との状況を、法律顧問とともに確認することをお勧めします。

委任指令2023/2775とは何ですか。

2013年以降のインフレを補正するため、EU会計指令の企業規模基準(零細・小規模・中規模・大企業)を引き上げる欧州委員会の規則です。各加盟国は国内法に取り入れる必要がありますが、スペインはまだ対応していません。

公式情報源

現行基準値に照らした御社の位置付けの確認をお手伝いします。監査義務がある場合や、任意監査を継続したい場合は、当事務所の年次財務諸表の監査サービスを、財務諸表の作成が必要な場合は年次財務諸表の作成サービスをご覧ください。アリカンテの監査人でご紹介しているとおり、当事務所はアリカンテの事務所から県内全域の企業に対応しています。ご連絡いただければ、御社の状況を確認いたします。

本記事はControlauditの技術チームが作成しました。2026年10月8日更新。本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別のケースについての専門的助言に代わるものではありません。

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