公表された内容
スペイン会計・監査機構(ICAC)は、公開意見募集(2025年10月16日付決議により開始)を経て、監査技術基準の改正を公表する2026年1月22日付決議(BOE-A-2026-2234)をスペイン官報に掲載しました。
改正の背景には、いわゆる国別報告書の公開に関するEUの規制があります。EU指令2021/2101はEU指令2013/34/EUを改正し、一定の企業および支店に法人税に関する報告書の公開を義務付けました。決議の説明によれば、2022年12月21日法律第28/2022号は、同指令第48c条を国内法化するため、スペイン2015年7月20日法律第22/2015号「会計監査法」(Ley de Auditoría de Cuentas、LAC)を改正しました。報告義務を定める第11追加規定が新設され、また第5条第1項g号により監査報告書の最低記載事項が追加されました。報告義務は2024年6月22日以後に開始する事業年度に適用されます。
改正された8つのNIA-ES
実質的な変更はNIA-ES 700にあり、その他の改正はすべての報告書のひな形が同じ構成となるようにするための整合的な修正です。
| 基準 | 主題 | 変更の範囲 |
|---|---|---|
| NIA-ES 700(改訂) | 意見の形成と監査報告書の発行 | 「その他の法令等の要求事項に関する報告」に新たな区分を設け、ひな形を更新 |
| NIA-ES 705(改訂) | 除外事項付意見 | 報告書ひな形の整合的修正 |
| NIA-ES 706(改訂) | 強調事項区分およびその他の事項区分 | 報告書ひな形の整合的修正 |
| NIA-ES 570(改訂) | 継続企業の前提 | 報告書ひな形の整合的修正 |
| NIA-ES 510 | 初年度監査:期首残高 | 報告書ひな形の整合的修正 |
| NIA-ES 600(改訂) | グループ財務諸表の監査 | 報告書ひな形の整合的修正 |
| NIA-ES 710 | 比較情報 | 報告書ひな形の整合的修正 |
| NIA-ES 720(改訂) | その他の記載内容 | 報告書ひな形の整合的修正 |
この決議により、これらの基準の旧版は廃止されます。すなわち、2024年4月11日付決議で公表されたNIA-ES 510、570、600、705、706、710および720と、2025年7月17日付決議で公表されたNIA-ES 700です。
監査報告書の新たな区分
NIA-ES 700は、「その他の法令等の要求事項に関する報告」の中に、「法人税またはこれと同一もしくは類似の性質の税に関する報告義務」と題する独立した区分を設けています。監査人はこの区分で、企業が前事業年度についてその報告書を提出する義務を負っていたかどうか、また義務を負っていた場合には、LAC第11追加規定の定めるところにより、商業登記所(Registro Mercantil)および該当するウェブサイトで公開したかどうかを記載しなければなりません。
これは公開義務の履行に関する記載であり、年次財務諸表に対する意見を変えるものではありません。
適用時期
改正後のNIA-ESは、2025年6月22日以後に開始する事業年度の年次財務諸表の監査業務に適用が義務付けられます。また原則として、2026年1月1日以後に契約する業務にも適用されます。各業務にどの版が該当するかを監査人とご確認ください。
御社に影響はありますか?
法人税に関する報告書の公開義務は多国籍企業グループや大規模企業を対象としているため、アリカンテやバレンシア州の中小企業の大多数は作成義務を負いません。それでも、実務上の影響が二つあります。
- 報告書の構成。新しいひな形で発行される報告書には、該当する場合にこの義務への言及が含まれるため、形式が前年までと異なることがあります。
- グループの子会社および支店。国際的なグループに属するスペインの会社は、グループが義務の対象かどうか、報告書がどこで公開されるかを親会社に確認する必要があります。義務を負う場合は、公開したことを監査人に示さなければなりません。
すでに2025年度の決算準備を進めている場合は、当事務所の年次財務諸表の監査チームが報告書がどのようになるかをご説明し、年次財務諸表の作成チームが注記の作成をお手伝いします。当事務所はアリカンテの監査人です(ROAC S1604)。
よくあるご質問
中小企業も法人税に関する報告書を公開しなければなりませんか?
おそらくその必要はありません。対象は大規模な企業やグループです。御社が多国籍グループに属している場合は、親会社にご確認ください。
監査意見は変わりますか?
変わりません。新たな区分は、その他の法令等の要求事項に関する報告の中に置かれます。年次財務諸表に対する意見、その根拠、および監査上の主要な検討事項(最も重要な監査上の事項)はそのままです。
2025年度の財務諸表にすでに適用されますか?
暦年と一致する2025年度は2025年6月22日より前に開始していますが、決議は原則として2026年1月1日以後に契約する業務への適用を定めています。契約日に応じて監査人にご確認ください。
公式情報源
これらの変更が御社または御社グループの監査にどのような影響を及ぼすかを知りたい場合は、当事務所のチームにお問い合わせください。御社の状況を確認いたします。
本記事はControlauditの専門チームが作成しました。2026年1月30日公開、2026年10月8日改訂。本記事は情報提供を目的としたものであり、個別の事案に関する専門的助言に代わるものではありません。
